だいぶ前の話になりますが、東京から息子夫婦が仙台へ遊びに来た時の話を、大家さんがうちにお寄りになったとき話してくださいました。
　大家さんは仕事をリタイアした時、かなり資産をお持ちだったようです。そこで、お嫁さんに「私どもをよく世話してくれるというのなら、この資産をあなたたちに譲っても良い」ということを言ったそうです。しかし、お嫁さんは「財産で私たちを釣るのですか」と怒ってしまい、息子さんと東京へ帰って行ってしまったそうです。

　私も、どうせ財産を譲るならお嫁さんに親切にしてもらって譲りたいという損得の考えを持っていました。だから、財産を譲る代わりに甘えさせてネ、という頭になっておりました。この話を聞いて、私もはっと致しました。いつ譲ることになるか分からない財産をちらつかせると、お嫁さんの目には「釣られている」ように映ってしまうでしょう。
　先日、私の子供がガールフレンドと仙台に来ました。私が食事を振舞った後、ガールフレンドが「私が洗いますヨ」と言ってくれることを今までは期待していましたが、これからは甘えずに自分で洗うことにします。