寒かった今年の冬も、徐々に暖かくなり、春の足音が聞こえてきました。

さて、ミリオン商事でアルバイトを始めて早くも４ヶ月ほど経ちました。大学では建築関係を学んでいる私にとって、学術対象ではなく不動産というある意味で現場の立場から住宅を見るのは新鮮で、学ぶことも多くあります。

　中でも一番印象に残っているのは、競売で落とされた住宅を見に行ったときでした。大きくて立派な家でした。おそらくは家族で住んでいたのでしょうが、何らかの理由で売ることになってしまったのでしょう。

　家を設計することはオーダーメードのスーツに例えられます。一番太っている時に仕立ててしまえば、しばらくすると着れなくなるかもしれない。服ならまた新調すればいいのですが、家はなかなかそうもいきません。

　家は人生で一番大きな買い物です。しかし、一度買ってしまうと、容易に家を変えることができません。買ったときは４人家族でも、子供が大きくなれば出て行くし、離婚して一人で、暮らすことになってしまうことだってあります。

　この家を建てた人は、どういう夢を描いていたのだろうか、どうして競売されることになったのだろうか。家を建てるというのは、とても難しいことですね。